難病にも指定されている小児ネフローゼ症候群は完治するのかについてお伝えしていきます。
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小児ネフローゼ症候群は完治するのか?
ネフローゼ症候群は一つの病名ではなく、病状を表します。
- 大量の蛋白尿
- 血液中の蛋白質濃度の低下(低蛋白血症、低アルブミン血症)
ネフローゼ症候群の原因疾患には、
- 微小変化型ネフローゼ症候群
- 巣状分節性糸球体硬化症
- 膜性腎症
- 膜性増殖性糸球体腎炎
- 糖尿病性腎炎
などがありますが、小児ネフローゼ症候群の場合、多くは微小変化型ネフローゼ症候群です。
微小変化型ネフローゼ症候群は完治しやすい
小児の微小変化型ネフローゼ症候群ではステロイド薬によく反応する反面、再発を繰り返したり、ステロイド薬に依存したりする場合があります。
ステロイド薬に反応する場合、20~30%は初発以降再発はしません。つまり一度のステロイド薬による治療で完治します。残りの70~80%は少なくとも1回以上は再発し、免疫抑制薬を必要とする場合もあります。
しかし、成人するまでには完治する可能性があります。統計的には小児の微小変化型ネフローゼ症候群の70~80%は成人するまでには完治すると言われています。
完治したかどうかはどうやってわかる?
あくまで統計的なものなので、完治したかどうかは誰にもわかりません。寛解状態(尿蛋白がでない状態)が続き、死ぬまで再発しなければ完治していたと言えます。
薬なしで5年間再発がなければ90%以上で以後再発がない=完治と言われていますが、数%は再発するということを意味します。
再発させないことが最も重要
私の長男は微小変化型ネフローゼ症候群で頻回再発型・ステロイド依存性でもあり、免疫抑制剤を使用してます。いつ治るかは専門医にもわかりません。誰にもわからないことを考えても生産的ではないと思うので、私はネフローゼ症候群を再発させないことが最も重要なことだと思っています。
いつ、どのタイミングで再発するかもはっきりとはわかりませんが、再発のきっかけになり得ることはわかっています。一番は感染症です。
微小変化型ネフローゼ症候群の原因は不明です。しかし、T細胞やB細胞などの免疫が関与しているのではないかと言われています。そのため、風邪やインフルエンザなどで免疫が活発に働き出すと再発する可能性も高くなります。患者本人はもちろん、家族全員が感染症予防に努めなければなりません。再発リスクを可能な限り低くすることが私たち親の務めであると感じます。
わかっていないことが多い小児ネフローゼ症候群ですが、過去の患者さんのデータからわかっていることもあり、治療薬もあります。自分の子供が難病になるなんて信じがたいことですが、親の不安は子供にも伝わりますので事実を受け入れできることを精一杯してあげましょう。
小児ネフローゼ症候群は20歳までに治るのか?