小児ネフローゼ症候群の90%以上が原因不明の特発性ネフローゼ症候群ですが、体の免疫細胞(T細胞、B細胞)が関与していると考えられています。そのため、風邪やインフルエンザなどの感染症がきっかけで再発することがあります。
その他、身近なところでは「虫歯」にも注意が必要です。今回は、小児ネフローゼ症候群と虫歯の関係についてと、虫歯にならないための歯磨きのポイントをお伝えしていきます。
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小児ネフローゼ症候群と虫歯
虫歯が感染症だと知っていましたか?虫歯は虫歯菌(ミュータンス菌)が大人から子供に移る感染症です。虫歯が原因でネフローゼ症候群が再発したという情報は、私が調べた限り、見つかりませんでした。しかし、病院の先生から「ステロイド薬を飲んでいるときは虫歯に気を付けてね」と言われたことがありますし、本にも虫歯に注意しなさい、早めに治療をしなさいという記述がありました。
小児ネフローゼ症候群は症状が出ているとき、寛解していてもステロイド薬や免疫抑制薬を服用しているときは低免疫状態です。感染症の一つである虫歯にもなりやすい状態ですので用心するに越したことはありません。
子供の虫歯は親から移る
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中は無菌状態です。歯も生えていないため虫歯にはなりません。成長していく過程で周りの大人、特に両親の口の中の虫歯菌が子供の口に移ることで虫歯になります。
虫歯菌は大人が使ったお箸やスプーンを介して移ることが多いです。そのため、大人が使ったお箸やスプーンをそのまま子供に使うことはやめましょう。このことは母子手帳にも注意書きがされています。
子供とチューをしても唾液を介して虫歯菌が移ると言われます。チューをするなら、なるべくほっぺにして口にはしないことをおすすめします。また、ご両親で虫歯があるなら早めに治療をしてください。
子供の虫歯は親の責任
歯磨きがきちんとできない幼少期は親がしっかりと仕上げ磨きをしてあげる必要があります。子供の口内環境を清潔に保つのは親の責任でもあると思います。
小さい子供は歯磨きを嫌がります。ほとんどの子供が嫌がりますので、「うちの子はどうして歯磨きの時にじっとしていてくれないの?」と悩む心配はありません。泣いてかわいそうでも、仕上げ磨きはしてください。
私の子供達もイヤイヤ歯磨きをしていました。毎回体を押さえつけてやっていました。注意深く歯磨きをしていたおかげか、今のところ虫歯はありません。4歳くらいになるとおとなしく仕上げ磨きをさせてくれるようになりました。
歯磨きのポイント
虫歯にならないための歯磨きのポイントをまとめました。
- 歯垢(プラーク)がたまりたすい歯と歯の間、歯と歯茎の間、奥歯の溝を注意して磨く。
- 最低でも一日一回夜寝る前の歯磨きはしっかりおこなう。その時はデンタルフロスも使用する。
- 歯磨き粉は使わなくてもOK。子供がお気に入りの歯磨き粉があれば使ってください。できればフッ素が入っているものがいいです。
- 個人的に歯ブラシはヘッドが小さいものの方が使いやすい。子供は口も歯も小さいから。
- 定期的に(3ヶ月~半年に一回くいの頻度で)歯医者に行く。
その他、食生活でのポイントです。
- おやつは決まった時間にだけ食べる。だらだら食べるのは控える。
- 歯にくっつきやすいおやつ、例えばキャラメル、チョコレート、飴、などは食べ過ぎないように注意する。
- 甘い飲み物を飲み過ぎないようにする。
- おやつを絶対に食べてちゃいけないわけではなく、量と時間に注意する。
寝る前の仕上げ磨きと決まった時間にだけおやつを食べる、この二つがとても重要だと思います。
まとめ
- 小児ネフローゼ症候群の患児は虫歯にも注意が必要
- 子供の虫歯や親の責任
- 子供の虫歯は親から菌が移ることで発生する。子供だけでなく親自身の口内環境にも目を配る
- 寝る前の仕上げ磨きと決まった時間にだけおやつを食べる、この2点が特に重要
子供の歯磨きは大変ですが、将来的に虫歯で苦労しないように小さいうちから予防することが大切です。小児ネフローゼ症候群では感染症に気を付けていかなければならないので、更に重要だと思います。
歯医者に行くのも虫歯の治療のためではなく虫歯・歯周病の予防、口内のメンテナンスのためだと考えてください。磨けていない所を教えてもらい、ブラッシングの指導を受けることをおすすめします。子供が小さくて診察ができなくても、親と一緒に連れて行くことで徐々に慣れさせていくのがいいと思います。そうすれば歯医者の怖いというイメージもなくなると思います。