小児ネフローゼ症候群は腎臓に異常が起こりますが、その原因はわかっていません。免疫細胞が関与していると言われており、風邪やインフルエンザにかかると再発することがあります。そのため予防に力を入れることが重要です。
ここでは、小児ネフローゼ症候群の患児がインフルエンザにかからないためにやってほしいことをお伝えします。
Contents
インフルエンザ流行時期にやるべき4つの感染予防対策
患児がネフローゼ症候群を発症している場合は、なるべく安静にして外部との接触を控えてください。尿蛋白が出ていること、ステロイド薬や免疫抑制薬を服用していることで免疫不全状態となり、他の子供よりも感染症にかかりやすく、重症化しやすいことを覚えておいてください。
これからお伝えする感染予防対策はネフローゼ症候群が寛解(尿蛋白が陰性)していることが前提でお伝えします。
ワクチン接種・予防接種
小児ネフローゼ症候群で免疫抑制剤を服用している患児は原則として生ワクチンを接種することはできません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンですので接種可能です。飲んでいる薬の影響であまり抗体が獲得できないことや、抗体がついてもあまり持続しないといったこともあり得ますが、患児の体調がいい時に積極的に接種することが勧められています。
手洗い
家に帰ってきたらしっかりと手を洗いましょう。インフルエンザは手についたウイルスが口や目から入ることで感染する接触感染があります。新型コロナウイルスの影響で手を洗うことが浸透してきましたが、きちんと洗えていますか?子供は適当に済ませてしまうことも多いので、親が一緒に洗って見てあげてください。
不要不急の外出を控える
ウイルスのない所にいればインフルエンザにかかることもありません。ずっと家にいることは不可能ですが、人混みや閉鎖的な空間に行くことは控えてください。やむを得ず、外出するときはマスクを着用してください。飛沫感染を防ぐことができます。
保育園や小学校に通っている患児もいると思います。インフルエンザが園や校内で流行してきたら、休ませることも考えてください。休ませるべきか悩むときは、主治医の先生に相談してください。
休養
免疫抑制薬を飲んでいれば、薬の影響で免疫力が落ちています。そこに疲労が重なるとさらに免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。疲れでもネフローゼ症候群が再発することがありますので、十分に休むことも大切です。
まとめ
- 小児ネフローゼ症候群の患児は免疫力が低下しているためインフルエンザの感染予防対策を徹底する必要がある
- ワクチン接種・手洗い・外出自粛・十分な休養を取ることでインフルエンザを予防することができる
ご紹介した内容は、よく見かける対策で皆さんもご存じだと思います。しかし、実行できていなければ意味がありません。お子さんだけでなく、密に接触する家族全員が感染予防に努めなければなりません。もう一度確認してみてください。