小児ネフローゼ症候群の子供が日常生活で気を付けること

特発性の小児ネフローゼ症候群は難病に指定されている病気ですので、他の子供と同じように日常を過ごせるのか不安になります。ここでは小児ネフローゼ症候群の子供が日常生活でどんな点に注意しなければならないかをまとめました。

小児ネフローゼ症候群 日常での注意点

感染症予防を徹底する

小児ネフローゼ症候群の治療ではステロイド薬や免疫抑制薬を服用します。これは、外部から細菌やウイルスが体内に侵入してきたときに、身体を守ってくれる免疫細胞の活動が制限されているということです。そのため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなりますので、感染症予防に努めてください。

感染症予防策
  • 手洗い、うがい、手の消毒
  • マスクの着用
  • 保育園、幼稚園、学校で感染症が流行した場合、欠席させる

いくら感染症予防に気を配っていても病気になってしまうことはあります。感染症になった時の対応を以下にまとめました。

もしも感染症にかかってしまったら
  • ネフローゼ症候群は風邪やインフルエンザをきっかけに再発することがあります。風邪の症状があるときは、尿検査をして再発していないか確認してください。
  • 水ぼうそうやはしかは、免疫抑制薬を服用していると重症化しやすいため、周囲で流行した時は極力近づけないようにしてください。
  • 免疫抑制薬のシクロスポリン(ネオーラル、サンデュミン)を服用している場合、マクロライド系抗生物質(クラリス、ジスロマックなど)を飲むと、シクロスポリンの血中濃度が上昇してしまうので飲むのを避けてください。病院に受診するときはお薬手帳を見せて「免疫抑制剤を飲んでいる」と必ず伝えてください。

いつもと様子が違うと感じたら、すぐに病院に連絡をしてください。

予防接種の注意点

前述の通り、感染症を予防することはネフローゼ症候群の患者にとってとても大切なことです。そのため、予防接種も積極的に受けることが勧められています。しかし、注意点もあるので確認してください。

予防接種を受けるときの注意点
  • ネフローゼ症候群の症状が安定しているときに接種してください。
  • 免疫抑制薬を服用中は生ワクチンの接種はできません。

稀に、予防接種をきっかけにネフローゼ症候群が再発することがありますので、主治医に相談してから接種してください。

運動や食事

むくみや腹痛、下痢などの症状が見られる場合は、安静や塩分制限などの対応をとられることもありますが、症状が安定していれば運動や食事の制限は特にありません。子供のことが心配で過度に制限をかけてしまうのは、子供の成長にマイナスな影響を与えかねません。なるべく、他の子と同じように過ごさせてあげましょう。

注意
シクロスポリンを服用中は、グレープフルーツやグレープフルーツジュースを飲んではいけません。シクロスポリンの血中濃度が上昇してしまうので飲むのを控えてください。
ネフローゼ症候群|シクロスポリン(ネオーラル)ってどんな薬?副作用・注意点などネフローゼ症候群|シクロスポリン(ネオーラル)ってどんな薬?副作用・注意点など

まとめ

  • 小児ネフローゼ症候群の子供が日常でまず注意することは感染症にかからないようにすること。
  • 予防接種は積極的に受けていいが、注意しなければならないことがあるので、主治医に相談をする。
  • 症状が安定していれば運動や食事の制限は必要ない。

新型コロナウイルスの影響で新しい生活様式が浸透していますが、手洗いと手の消毒は励行してください。子供同様に親も感染症予防を徹底してください。

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