【まとめ】小児ネフローゼ症候群で注意する白内障と緑内障について

小児ネフローゼ症候群の治療薬で第一に選択されるのがステロイド薬です。ステロイド薬は小児ネフローゼ症候群の治療には欠かせない薬ですが、副作用が多いことが問題となります。

ここではステロイド薬の副作用のうち、眼合併症の白内障と緑内障についてまとめていきます。

ステロイド薬の眼合併症 白内障と緑内障

白内障と緑内障の病名は聞いたことがあるのですが、どんな症状かよくわかっていないので、それぞれの症状についてもまとめました。

白内障とは?

目の水晶体(カメラのレンズ役割をしている部分)が白く濁る病気です。水晶体内にあるクリスタリンタンパクというタンパク質が異常変質し、白く濁ることで、目がぼやけて見えにくくなったり、かすんだりします。加齢によって起こる加齢白内障が一般的です。その他、アトピーや糖尿病などの疾患、外傷、ステロイド薬などの薬の影響で発症します。

一度白内障になってしまうと薬で元に戻すことはできません。白内障の薬はありますが、進行を抑えたり、予防したりする目的で使用されます。白内障の治療は、濁った水晶体を取り出し、新しいレンズを入れる手術が主流となっています。

ステロイド薬による白内障

ステロイド白内障は、加齢による白内障とは違い、後嚢下(こうのうか)白内障になります。加齢白内障は、水晶体の外側から中心に向かって濁ってくるケースが多いです。一方ステロイド白内障は、水晶体の奥側(硝子体、網膜側)が濁ってきて、進行が早いという特徴があります。一般に、プレドニゾロン10mg/日以上や1年以上の長期投与で発症率が高くなります。

緑内障とは?

眼の中は房水という透明な液体で満たされ張りがあります。水風船のようなもので、房水がたまってパンパンに張っていると眼圧が高くなります。緑内障は、眼圧が高くなることで視神経(目から入った情報を脳に伝える神経)に障害が起こり、視野が狭くなる病気です。多くは中高年で発症し、進行はゆっくりでだんだん視野が狭くなっていきます。

緑内障の治療は点眼薬でおこなわれます。眼圧を下げる目薬です。それでも改善しない場合は手術もおこなわれます。

ステロイド緑内障

ステロイド緑内障は、ステロイド薬を服用して眼圧が上昇することで起こります。眼圧に関係する房水は、新しいものが作られて古いものは排出されているのですが、ステロイド薬を服用すると房水の排出が阻害されます。そのため眼の中に房水が貯まり眼圧が上昇し緑内障につながります。

一般にはステロイド薬の減量、中止とともに眼圧は下がっていきます。ステロイド薬服用中は眼科を受診し、定期的に眼圧を測定することが必要となります。

まとめ

ステロイド薬は小児ネフローゼ症候群の治療には欠かせない薬ですが、副作用は本当に心配です。

私の長男はプレドニゾロンを服用していましたが、毎日服用して量が多い時は、1ヶ月に一度くらいの頻度で眼科も受診していました。眼圧を測るために空気を当てるのですが、怖がってなかなか測定できず苦労しました。幸い眼の異常は起きなかったので良かったです。

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