【小児ネフローゼ症候群】保育園での運動制限は必要?

小児ネフローゼ症候群は、日本では半数以上が5歳未満で発症します。保育園に通っているお子さんも多いと思いますが、園での生活はどのようにすればいいのでしょうか?今回は、保育園で運動制限は必要かについてお伝えしていきます。

【小児ネフローゼ症候群】保育園での運動制限は必要?

まず先に結論から。寛解(尿蛋白が陰性)していれば、保育園でも他の子と同じように運動しても問題ないと言われています。

正直なところ、どの程度の運動がネフローゼ症候群の再発に関与してくるのか、運動制限が再発抑制に効果があるのか、という明確なデータがないのが現状です。ネフローゼ症候群の病状によっても判断が分かれるところです。

ステロイド薬服用中でも運動していい?

服用しているステロイド薬の量や患児の様態にもよりますが、軽い運動ならいいと言われます。入院中でも歩いたりすることは認められると思います。

ステロイド薬の副作用に食欲の亢進、肥満があります。私の長男もステロイド薬服用中は「お腹が空いた!」と叫んでいましたし、中心性肥満といってお腹がぽっこりしていました。ネフローゼ症候群だからといって安易に安静を強いると肥満のリスクが更に高まったり、血流が悪くなったりと体に悪影響を及ぼします。

激しい運動には注意
ステロイド薬の副作用に骨粗鬆症があり骨折のリスクが高くなります。そのため、ステロイド薬服用中は激しい運動、例えば高いところから飛び降りること、柔道などの格闘技をすることは避けてほしいと言われることがあります。

免疫抑制薬を飲んでいてもOK?

小児ネフローゼ症候群の患児の中には免疫抑制薬を飲んでいる子も少なくありません。私の長男は微小変化型ネフローゼ症候群で頻回再発型・ステロイド依存性でもあり、シクロスポリン(ネオーラル)を服用しています。

免疫抑制薬を飲んでいても運動の制限はされていません。保育園でも友達と一緒に走ったり踊ったりしています。運動会にも参加できました。

注意
疲れがネフローゼ症候群の再発に関係するとも言われていますので、疲れ過ぎないようにすることは意識しています。

本人のやりたいことをやらせてあげる

一番大切なことは、小児ネフローゼ症候群であることにマイナスなイメージを持たせないことだと、私は思っています。小児ネフローゼ症候群の多くは原因不明です。なぜなってしまったのか誰にもわかりません。病気を受け入れて、病気と上手く付き合いながら毎日を過ごしていかなければなりません。

小児ネフローゼ症候群だから運動はできないんだ、してはいけないんだ、という認識は持たせたくありません。なるべく本人がやりたいことをやらせてあげたいと思います。保育園での運動以外に、野球をやりたいと言えば野球をやったらいいと思うし、サッカーでもバスケットボールでもテニスでも何でもやってみればいいと思います。他の子と同じようにしてあげることが、本人の成長にもいい影響を与えてくれると思っています。(何かしらスポーツをやりたいと言ったら、主治医の先生には相談した方がいいと思います。)

まとめ

  • 小児ネフローゼ症候群では過度な安静は推奨されず、適度な運動をおこなうことが望ましい。
  • 病状にもよるが、ステロイド薬や免疫抑制薬を服用していても運動することはできる。

実際、「ステロイド薬を飲んでいても寛解できていれば運動してもいい」と言う先生もいれば、「もう少しステロイド薬の量が減ったら運動はOKです」という先生がいるように、それぞれの医師によって見解が分かれてきます。主治医の先生とよく相談しながら、納得いくように決めていくのがいいと思います。

長男の主治医の先生は、「何も制限はしないで他の子と同じようにしていいですよ」と言ってくれます。先生がそう言ってくれるのはとても心強いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。