小児ネフローゼ症候群の子を持つ父親がまとめた|むくみと尿量の減少について

ここではネフローゼ症候群を発症したとき、再発したときにみられる症状についてお話しています。具体的には「むくみ(浮腫)」と「尿量の減少」についてまとめています。

ネフローゼ症候群 二つの主症状

ネフローゼ症候群は以下の二つの基準を満たせば、病気の原因はわからなくても、ネフローゼ症候群と診断されます。

  • 大量の蛋白尿
  • 血液中の蛋白質濃度の低下

ネフローゼ症候群の症状は主に二つ、「むくみ」と「尿量の減少」です。

むくみ(浮腫)

ネフローゼ症候群の最も特徴的な症状がむくみです。むくみは重力に影響されるため、朝はまぶたがむくみ、夕方から夜には足がむくみやすくなります。男の子だったら、陰嚢(いんのう、ちんちんの玉袋)もむくんできます。

なぜ、むくむ?

なぜ、むくみが出るかというと、蛋白質が関係しています。

ネフローゼ症候群では腎臓の糸球体にあるスリット膜(血液を濾過するフィルター)の構造が壊れ、本来、濾し出されない蛋白質が尿と一緒に体外に出てしまいます。

この蛋白質の中にアルブミンがあります。血液中のアルブミンは水分を血管内にとどめておくために非常に重要な蛋白質です。血液中のアルブミン濃度の低下により、血管の外側(間質)に水分が出て血管周囲の組織に水分が貯まってしまい、むくみとなります。一般的に血液中のアルブミンが2.5g/dL以下になると、むくみが目立つようになります。

尿蛋白が出てもすぐにむくむわけではない
ネフローゼ症候群では大量の尿蛋白が出ますが、尿蛋白が出るとすぐにむくむわけではありません。尿蛋白が持続して出現し、血液中の蛋白質濃度が低下してからむくみだします。
小児ネフローゼ症候群の子を持つ父親が浮腫(むくみ)のメカニズムについてまとめた小児ネフローゼ症候群の子を持つ父親が浮腫(むくみ)のメカニズムについてまとめた

尿量の減少

尿は血管内の水分が腎臓で濾過されてつくられます。前述の通り、ネフローゼ症候群では、血管内の水分が血管の外に漏れ出てしまっているため、尿量が減少します。

その他の症状

ネフローゼ症候群を発症したとき、再発したときには、むくみと尿量の減少がみられますが、その他の症状も出現することがあります。

血中アルブミン濃度の定価で血管の外に漏れ出た水分は、肺にたまって胸水となったり、おなかの中にたまって腹水になったりすることもあります。腸もむくむため、腹痛や下痢、嘔吐、食欲低下などの症状もみられる場合もあります。急激な症状の場合、血管内の水分が著しく低下し、低血圧やショック状態になることもあります。

まとめ

  • ネフローゼ症候群を発症したとき、再発したときには、むくみと尿量の減少が主な症状として現れる。
  • その他、腹痛や下痢、嘔吐、食欲低下などの症状もみられる場合もある

長男が小児ネフローゼ症候群を発症したときは、むくみ、尿量の減少、下痢、食欲低下、倦怠感がありました。食欲はありませんでしたが、水分を摂る量が多かったです。その割におしっこが出ませんでした。大好きなおやつも食べられず、だいぶ辛そうな様子だったことを覚えています。特別な前駆症状は見られず、最初は風邪か何かかな?と思っていました。

お子さんに上記のような症状が出た場合、小児ネフローゼ症候群の疑いがあるので、すぐに小児科を受診してください。

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