自分がワキガ体質だと気付いたのは20代半ば頃でした。人から指摘されることが少ないニオイの問題なのでワキガだと受け入れるまでには時間がかかりましたが、現実を直視しなければ前には進めません。本やネット、論文の情報などワキガについて調べたこと、そして対策として実践してきたことをまとめました。
Contents
ワキガの基礎知識
ワキガは病気ではない!
ワキガは病気ではなく、汗腺のひとつであるアポクリン腺が多いという体質のことをいいます。そして、ワキガの定義は非常に曖昧です。
- アポクリン腺がどれくらいあればワキガなのか?
- どれくらいの汗がでればワキガなのか?
- どんなニオイがすればワキガなのか?よく用いられるワキガ臭の表現【スパイス臭・硫黄臭・鉛筆の芯のようなニオイ・ミルク臭・酸臭・生乾き臭】
- ニオイの強さがどれくらいならばワキガなのか?
ちなみに、私が悩んでいた口臭には定義があります。
口臭とは「口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭」と定義されます。
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット 口臭の原因・実態
ワキガに関係する汗腺
人間の汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。ワキガに関係しているのは「アポクリン腺」になります。
- 全身のほとんどの皮膚表面に分布。額、足のうら、手のひら、手の甲、足の甲に特に多く分布。
- 毛根部と異なる部分に汗腺が開口。
- ニオイはない。
- 色もない。
- 塩分が多い汗。
- 温熱性発汗(足のうら、手のひら以外)、精神性発汗(足のうら、手のひら、わき)、味覚性発。
- わきの下、耳の中(外耳道)、乳輪、おへそ周辺、外陰部など局所的に分布。
- 毛根部と汗腺の開口部が一致。毛があるところから汗が出る。
- ニオイはほとんどない。
- 色は乳白色、黄色っぽい色。
- たんぱく質、脂質が多く含まれる汗。
- 体温調節のはたらきはなく、フェロモンとしてのはたらきがあったと考えられている。
- 精神性発汗。
ワキガ臭 = アポクリン腺から出る汗 × わきの細菌
アポクリン腺から出る汗には、ほとんどニオイがないため単独ではワキガ臭の原因とはなりません。ワキガ臭が発生するには、人間の体に住んでいる微生物 = 常在菌が大きく関わっています。
人間の生活に必要不可欠な常在菌。この常在菌がアポクリン腺から出る汗をエサに増殖する(汗を分解する)ときに、あの独特のワキガ臭が発生します。
アポクリン腺から出る汗と常在菌が出会ったときにはじめてワキガ臭が発生します。逆を言えば、どちらか一方だけが存在してもワキガ臭はでません。「0」に何をかけても「0」 ですからね。対策としては「汗を出ないようにする」or「菌の数を減らす」、この2点が重要となります。
あなたはワキガ体質?
ここで、自分がワキガ体質かどうか調べるセルフチェック法をお伝えします。
- 親がワキガ
- 耳垢が湿っている(キャラメル状)
- 乳輪、おへそ周辺に毛が生えている
- 服についた汗が黄ばむ
親がワキガ
ワキガ体質は親から遺伝します。血液型や二重まぶたのように優性遺伝するので、親がワキガ体質であれば高い確率でご自身もワキガ体質であると言えます。
【ワキガ体質】ワキガは子どもに遺伝する?どうやって遺伝するのか解説耳垢が湿っている(キャラメル状)
前述の通りワキガは遺伝します。遺伝に関わる遺伝子は染色体上にあり、人間の細胞には23対(46本)の染色体が入っています。その染色体の内、16番染色体にある「ABCC11」という遺伝子が耳垢の湿りとワキガ体質に関係しています。つまり、「耳垢が湿っている = ワキガ体質」となります。
耳垢が湿っている子供は将来ワキガ(腋臭症)に注意して!乳輪、おへそ周辺に毛が生えている
アポクリン腺の特徴として分布が局所的であること、毛根部と汗腺の開口部が一致していることがあります。
アポクリン腺はわきの下、耳の中(外耳道)、乳輪、おへそ周辺、外陰部などに集中し毛穴とつながっているので、ここの毛が濃いとワキガ体質の可能性が高いです。
服についた汗が黄ばむ
アポクリン腺から分泌される汗にはリポフスチン(消耗色素、老化色素)という色素も含まれます。リポフスチンは黄褐色の色素ですので、白い洋服の汗染みが黄ばむ場合はワキガ体質の可能性があります。
自分がワキガだとわかる
私の友達や職場にワキガの人がいたことがきっかけとなりました。私は口臭対策をしていたこともあってか、けっこう他人のニオイを気にするタイプでした。周りにワキガの人がいたので、なぜこんなにも強烈なニオイが出ているのだろうと調べてみました。いろいろ調べていくうちに上記のようなワキガの特徴が自分にも当てはまることが判明しました。耳垢がキャラメル状で乳輪、おへそ周辺の毛が濃いことがワキガ体質を決定的なものにしていると思います。
ワキガ対策
ワキガは病気ではないので、薬を飲んだり塗ったりして治るようなものではありません。体質ですので、まぶたや髪の毛の質などと同じように個性のひとつと捉えてもいいでしょう。
欧米の人は約70、80%以上がワキガ体質だと言われており、香水などを使ってうまく自分の体臭と付き合っています。一方、日本人などの黄色人種では約10%がワキガ体質だと言われています。また、日本では清潔であることを良しとする文化がありますので、ワキガ臭は敬遠されがちです。お風呂に入っていないような不衛生によるニオイはNGですが、ワキガ臭は不衛生からくるニオイではありませんので、あまり気にし過ぎないようにすることも大切です。とは言え、ワキガ臭をなるべく抑えたいと思う人のためにポイントを挙げました。
- 体を清潔に保つ
- ストレスをためない
- 食生活を見直す:動物性の脂質はアポクリン腺を刺激しやすいと言われているため、高カロリー・高脂質の食事は控える。
- 禁煙:タバコに含まれるニコチンはアポクリン腺を刺激するので、吸う本数を見直す。
- 汗を拭きとる
- 汗をかいたら服を着替える
- 風通しの良い服装、速乾性の服を着る
- デオドラント商品を活用する/li>
私にとって効果的だった対策
ワキガ対策として私が一番効果的だと感じたことは、「服を着替える」ことです。ワキガ臭は服に付くとなかなか取れません。いくらデオドラント商品を使ったり、こまめに汗を拭きとったりしていても、全く服にワキガ臭が付かない状態にすることは難しいです。ニオイが他人に気付かれなければいいわけですから、くさい服を着替えることは即効性と簡易性を兼ねそろえたワキガ対策と言えます。