ネフローゼ症候群 闘病記【2】|小児ネフローゼ症候群 発症~入院・退院

私の長男は4歳のときに小児ネフローゼ症候群を発症しました。ここでは、発症から入院、退院までのことを記録しています。

小児ネフローゼ症候群 発症~入院・退院

4月の保育園の入園式を終えたばかりでした。入園式は天気が曇で肌寒かったです。そのせいか、長男は鼻水が出るなど風邪っぽい症状がありました。かかりつけの小児科で風邪の薬を処方してもらい様子を見ていました。

発症

一週間もすると鼻水はおさまりましたが、顔がだんだんむくんできました。特にまぶたです。長男は目が大きくてパッチリしていますが、ちゃんと見えているのかなと思うくらい、まぶたがむくんできました。また、元気がなく、家では横になることが多くなってきました。今思うと、尿蛋白が出てだいぶ辛かったんだと思います。大好きなおやつも食べなくなり、食事も少ししか口をつけません。水分はたくさん摂っていましたが、おしっこが出ません。便秘気味だったのに下痢をするようにもなっていました。

入園式から二週間後に、さすがにおかしいと、小児科に連れて行きました。その病院では「腎臓に異常があるかもしれない」と診断され、すぐに大きな病院に行くように指示されました。体調不良の原因が腎臓にあるなんて考えてもいなかったので、ものすごく不安になりました。

その時は、私は仕事だったため妻が病院に連れて行っていました。妻から連絡をもらいすぐに病院に行きました。病室では点滴がつながれた長男の姿がありました。これは後になって聞いた話ですが、点滴を打つ際に妻は部屋から出てくれと言われたそうです。むくみがひどかったため、手の血管が見えず何度か針を打ち直す必要がありました。暴れないために看護師数人で押さえつけて点滴を打ったようです。それを親に見せないために退室してくれとのこと。その場面を想像しただけで心が痛みます。

しばらくして、担当の先生が来て説明を受けました。

「むくみ(浮腫)と低蛋白血症が見られるため小児ネフローゼ症候群だろう。」

病名を聞いても、全くわかりませんでした。ネフローゼ症候群なんて、今までの人生で一度も聞いたことがない病名でした。

入院

治療のために1ヶ月は入院する必要があるとも言われました。入院?1ヶ月も?入院すれば治るの?入院には付き添いが必要だよな。次男はどうする?仕事はどうする?など様々なことが頭の中をよぎりました。

話し合った結果、入院中の付き添いは妻が、私は次男と二人で家に。子供達の入園に合わせて妻も復職していましたが、その矢先に長期で休暇を取らなければなりませんでした。私も次男を保育園にあずけてからの出勤になるため時短勤務をすることになりました。幸い、妻の職場も私の職場も理解のある方々ばかりだったため、非常に助けてもらいました。

治療が始まる

入院中はとにかく寛解(尿蛋白が出ないようにする)させるために、ステロイド薬(プレドニゾロン)の薬物治療が始まりました。むくみがひどかったため、塩分制限と水分制限がありました。一日に飲んだ水分量を記録し、また、毎朝尿検査をおこない、おしっこの量もその都度記録していました。

ステロイド薬(プレドニゾロン)はネフローゼ症候群の治療には必ず用いられる薬で、とても苦い薬です。長男はまだ錠剤を飲むことができなかったため、砕いた薬をアイスに混ぜて飲んでいました。本人はアイスが食べられるから少し喜んでいましたが、アイスに入れても苦さがわかるくらい苦い薬です。嫌がらずに飲んでいて、本当に偉いと思いました。

入院した時は、自分がなぜ病院にいるのかわからない様子で、表情の変化がほとんどありませんでした。3、4日経つと笑顔も出てきたので安心しました。

私が休みの時には妻と交代で付き添っていました。ステロイド薬を飲んでいるため、感染症にかかりやすくなっており、あまり病室から出ることができません。家から持ってきた本やおもちゃで遊んで一日を過ごしていました。

ステロイド薬の副作用

ステロイド薬には様々な副作用があり、長期の使用は避けられている薬です。副作用の中に食欲の亢進(食欲が増す)があり、長男に顕著に現れました。

かなりお腹が空くようで、食事をしても1~2時間ほどで「お腹が空いたー!」と叫んでいました。気を紛らわせるために、色々な遊びを提案するのが大変でした。

小児ネフローゼ症候群になって、暗い気持ちになっていましたが、いいこともありました。ステロイド薬の副作用でお腹が空くので、今までほとんど食べられなかった野菜が食べられるようになったのです。これには驚きました。野菜が食べられるようになったので、便秘も解消されてきました。

退院する頃には他の副作用も現れました。ムーンフェイスと中心性肥満です。

ムーンフェイスはほっぺたや顎のあたりに脂肪がついて顔が丸くなる症状です。中心性肥満はお腹だけがぽっこり膨らむ症状です。ステロイド薬が終われば副作用もなくなるとのことでした。

一時退院

4月に入院をして5月の連休過ぎには状態も良くなってきたので、一時退院が許可されました。午後の2~3時間くらい家に戻ることが許されました。

久しぶりに帰って遊ぶことができましたが、入院生活が続いていたため体力が落ちているようでした。少し遊ぶと横になってしまい、「もう病院に戻る」と言っていました。早く以前のように元気な姿を取り戻してほしいと切に願うばかりでした。

退院

入院から1ヶ月が経ち退院することができました。

長期間の入院生活に耐えた長男はすごいと思います。ずっと付き添ってくれた妻にも感謝です。また、日常生活で助けてくれた義理の母、職場の皆様にも感謝です。次男もまだまだママに甘えたい時期なのに、私と二人での生活によく辛抱してくれました。

再発の心配もありましたが、とにかく退院できてほっと一安心です。

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