私の人生を大きく変えてくれたオスグット・シュラッター病

私の長男は小児ネフローゼ症候群で、現在も治療を続けています。なんで私の子供が難病に?と、今でも悩む日々ですが、病気になったのにはきっと意味があると思っています。かく言う私は、中学生の時にオスグット・シュラッター病になりました。息子の難病のような病気ではありませんが、この病気になったことで私の人生は大きく変わりました。

今回は、オスグット・シュラッター病がどのように私の人生に影響を与えたのかお伝えします。現在、オスグット・シュラッター病で辛い経験をしている子供達に何か響けば幸いです。

私の人生を大きく変えてくれた病

オスグット・シュラッター病になる

私はスポーツが好きで、小学生の時は野球をやっていました。中学校に入学して、新しくソフトテニス部に入ったばかりの頃でした。膝の下が腫れて痛みがあったため病院に行ったところ、オスグット・シュラッター病と診断されました。聞き慣れない病名だったため、始め先生が何を言ったのか聞き取れず紙に書いてもらいました。

「しばらく運動は控えてください。」

医者からそう言われましたが、軽い運動程度なら大丈夫だろうという甘い考えと、途中で部活を変えることはできないという学校の規則で、ソフトテニス部を2、3ヶ月続けました。すると、痛みがますます激しくなってきて足を曲げることさえ難しくなってきました。無理をしたせいもあって、膝の下がかなり出っ張ってきました。特に右足は、医者の先生にも「これはひどいね」と言われる程に。(今でも膝の下が出っ張っているので正座や立ち膝をする時に苦労しますし、足を曲げる運動を激しくおこなうと痛くなる時があります。)最終的に担任の先生と相談をして、ソフトテニス部から吹奏楽部に移る許可をもらいました。

体を動かすことが好きだった私は、運動を制限されることにとてもストレスを感じていました。好きだった体育も中学校2年生になるまで見学が続きました。友達が楽しそうに体を動かしているのを見て、「なんで自分だけ・・・」と悲しくなりました。「こんな足ならいらないな・・・」と思ったこともあります。中学校1年生の時は本当に辛かったです。

吹奏楽部に入る

どうして吹奏楽部に移ったかというと、他に選択肢がなかったからです。私の学校はとても小さく、一学年一クラスで全校生徒が100人でした。部活も野球(男子のみ)、ソフトテニス、バレーボール(女子のみ)、吹奏楽から選択しなければなりませんでした。しかも、どこかの部活に必ず所属しなければなりません。運動ができない私に残された選択肢は吹奏楽部だけです。正直、音楽や楽器に興味はありませんでしたが、仕方なく入りました。

私が選んだ楽器はフルートです。男子の少ない吹奏楽部において、フルートを演奏する男子は極めて少ないです。なんでフルートを選んだのかは、よく覚えていませんが、小学生の時に遊びで吹いた横笛が面白かったからだったと思います。

仕方なく入った吹奏楽部でしたが、これが意外と楽しい。始めて楽器の音が出た時の感動。みんなと合奏をした時の音の響き。今まで全く興味のなかったことが、こんなに面白いものだったなんて。オスグット病は私に新しい発見を与えてくれました。

病気になってよかった

仕方なく始めた吹奏楽でしたが、高校、大学と続けました。現在は住んでいる地域の社会人団体に所属していますが、子供が小さい今現在はお休みをしています。

スポーツをやっていても、いろいろな人と出会えただろうし、様々な経験ができたと思いますが、吹奏楽を続けてきたからこそ出会えた仲間がいます。今でも連絡を取り合う生涯の友人もできました。何より、妻と出会うことができました。

妻とは大学の吹奏楽サークルで出会いました。オスグット病がなければ絶対に吹奏楽はやっていなかったと思うと、不思議な感覚を覚えます。オスグット病で辛い思いをしていたときは、この病気が憎くて仕方がありませんでしたが、今思うと、この病気になってよかったと思います。オスグット病になっていなければ、今の友達にも、妻にも、子供たちとも出会うことはできませんでした。今ではオスグット病に感謝しています。

長男の病気にも意味がある

最初にも申し上げましたが、私の長男は難病の小児ネフローゼ症候群です。日本では10万人に5~6人が発症します。どうして私の子供なんだろうと、今でも考えることがあります。しかし、私のオスグット病と同じように、これにもきっと意味があるんだと思います。

今お世話になっている小児腎臓医の先生も子供の頃ネフローゼ症候群だったそうです。病気になったことがきっかけで医者の道を志すようになったそうです。私の長男も、もしかしたらネフローゼ症候群がきっかけで医療分野で働くかもしれない。この病気が縁で知り合った女性と結婚するかもしれない。彼の人生はまだ始まったばかりですが、ネフローゼ症候群が長男の人生で意味を成してくれると信じています。ネフローゼ症候群のおかげで今の自分がある、この病気になってよかった、そう思える日が来ることを願っています。

今、オスグット病で辛い思いをしている方も、後になって振り返ると、自分の人生にとって必要なことだったと思える時が必ず来るはずです。スポーツができなくても、他のことにチャレンジしてもいいですし、しっかり休んでもいいと思います。病気を悲観的に捉えるのではなく、前向きに、自分には必要な経験だったと思えるように、考え、行動してほしいと思います。

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